昨今、薬剤師が求められている現場は多岐に渡ります。調剤薬局や病院、ドラッグストアや製薬会社など転職する際の選択肢は幅広く、自分の適性や希望する待遇などに合わせて選ぶことが可能です。その中でも今回はCRC、すなわち治験コーディネーターに焦点をあててその仕事内容をご案内してまいります。興味や関心がある方は是非参考にしてみて下さい。まず、転職で製薬企業に入ることは倍率も高く、かなり難関であると言われています。しかしながら同じ企業でも治験コーディネーターであれば、企業で働く薬剤師として活躍する人も多いです。企業なので、基本的には土日休みとなりライフスタイルに合わせて働くことができ、魅力の一つとなっています。では、その仕事内容とはどの様なものなのでしょうか。実はあまり知られていないのが現状となっています。
治験コーディネーターとは、病院側に立って治験をサポートすることを主な仕事としています。一方でCRA、すなわち臨床開発モニターという仕事もありますが、これは製薬企業側に立って治験をサポートすることを主な仕事としています。それでは、治験コーディネーターの具体的な仕事内容をみていきましょう。新薬の開発を行うときには、必ず臨床試験を実施する必要があります。このときに行われる臨床試験を治験と呼びます。治験コーディネーターは治験をスムーズに行うために医療機関へ出向き、「患者さんへの治験の説明」や「治験スケジュールの管理」などを行います。より詳しくみていくと次のようになります。まず、患者さん(被験者)への治験内容の説明を行います。そして患者さんの治験に対する不安や精神的負担を除去するためのサポートにも徹します。
さらには患者さんの来院予定や検査などのスケジュール管理、検査資料の整理および管理も行います。CRAへの対応やフィードバックももちろん仕事の一つです。また、病院の医療従事者や製薬企業のモニターなど、多くの人と接します。そのため、医薬品や病気に関する様々な知識を身につけるだけでなく、コミュニケーション能力も磨かなければいけません。一方で患者さんに対しては、分かりやすい言葉で治験内容を説明する必要があります。治験を行う医師は、忙しい一般診療を行っている合間に治験を実施します。そのため、インフォームド・コンセントが不十分な場合があるので、患者さんにとっては治験コーディネーターが心の支えになっています。忙しい医師に代わって十分な時間を使い、患者さんに納得するまで説明を行うという重要な役割を果たしています。大変な仕事ではありますが、とてもやりがいがある仕事であると言えるでしょう。